イミグレーション②

長い長いイミグレーションでの待ち時間を終え、急いで家路へつく私と三女。
サムローのおじちゃんに
「バスターミナルまでお願い!」
と言うと
「バスターミナルより、サパーンで待ってた方がいい。
サパーンはここから近いし、バスはサパーンの前を通るからサパーンから乗ればいい。」
と教えてくれた。
「そうか!サパーンに行った方が時間短縮出来る!16時発のバスに乗れるだろう。」
と思って、一安心した私。
雨も降り出してきたし、私が急いでいるのを知ったおじちゃんは急いでサパーンへ
向かってくれた。
サパーン到着。
「ここでバスが来るのを待っていればいいよ。橋の下なら雨に濡れない。」
と言ってくれた。
優しいおじちゃんに、ちょっと多めにお金を払い、サムローを降りた私達。
すると
「おーい!早く乗って乗って!」
と再び声をかけて来た。
意味がわからず、でもほかのサムローのおじちゃん達も
「急げ!急げ!」
と言うので、もう一度同じサムローに乗り込んだ。
サムローは方向転換し、急発車!
よく前を見ると、遥か前方に黄色のバスが走っているではないか!
「あのバスに乗ればいい!」
と大張り切りのおじちゃん。
どうやら、前方を走る路線バスまで追いつくつもりのようだ。
「なんて親切なおじちゃん!」
と思い
「あのバスね!ありがとう!」
と私は言った。
かつて乗ったことのないくらいのスピードでバスを追いかけるサムロー。
バイクを追い抜き、エンジンを吹かしながら猛スピードで走る。
が。。。
なかなかバスとの距離が縮まらない
おじちゃんは飛ばす飛ばす飛ばす。。。
でも、やっぱりバスとの距離が縮まらない
「俺に任せとけ!」
と得意顔で走っていたおじちゃんだったが
なかなか追いつかなくて苦笑いし出した。
しかし、諦めて引き返すには、結構走って来てしまった、この距離。。。
どれくらい走っただろうか。。。
「追いかけているうちにこのまま家まで行ってしまうのではないか?」
と思い始めた頃。
少し交通量が増えたおかげでバスのスピードが落ちてきた。
そしてバスが左にウインカーを出し、路肩に寄ったすきにバスを追い越したサムロー。
「やった!追いついた!すごいぞ、おじちゃん!」
おじちゃんは大声でバスの運転手に呼びかけてくれた。
私は慌ててサムローを降りようとした。
のだが!
おじちゃん、
「マイ チャイ!(違った!)」
と言うではないか!
「は?マイ チャイ?」
と状況がよく理解できないでいる私に、おじちゃんは
「このバスは乗れないって。これから家に帰るところだってさ!」
と言うではないか!
「えええええええええええええええええ!!!!!!!!」
なワタシ。。。
「こんな遠くまで追いかけてきたのに、乗れないだと?!」
「このバス、もう家に帰るだと?!」
サムローのおじちゃんもがっかり&拍子抜けしてしまい、笑うしかない。。。
そして私も、この無駄なドライブがおかしくなってしまい大爆笑してしまった。。。
うちら何やってんだ?
コントみたい。。。
おじちゃんはサパーン方面へ引き返した。
でも、
「どうせこの道をバスはやって来るのだから
サパーンまで戻らずに、この辺のバス停で下ろしてくれればいいよ。」
と私は言い、途中のバス停で降ろしてもらうことにした。
バスには乗れなかったけど、おじちゃんの優しさにチップを払うと
おじちゃんは「自分の失態(?)」を照れ臭そうに笑った。
降ろしてもらったバス停の向かいが雑貨屋さんだったので、店番をしていたおばちゃんに
「バスが来たらこの人を乗せてやってくれ?」
と叫びながらサムローのおじちゃんは引き返して行った。
雑貨屋のおばちゃんがやって来て
「バスが見えたら教えてあげるから、あなたは子供を見てなさい。
ここは道路沿いで危ないから。」
と言ってくれた。
その時、時間は16時過ぎ。
自分が今どこにいるのかさえ、サッパリわからない。
だが、
「バスは必ずこの道を通過する。もう少しで来るだろう。」
と思いながら待っていた。
雑貨屋には近所のおばちゃんが来たり、入れ替わり立ち代りおしゃべりしに人が来る。
なかなか来ないバスに、私は
「この辺はタクシーないでしょ?」
と言ってみた。
すると
「知り合いがタクシーやってるよ。すぐそこだよ。」
と言うおばちゃん。
「タクシーあるの!?」
と私が言うと
「でも隣町までは200バーツくらいするよ。バスなら20か30バーツだろ。
無駄遣いするな。もうバスが来るから。」
というおばちゃん。
そのとき16時15分ほど。
確かに、今から急いでタクシーで帰っても子供達の帰宅には、既に間に合わない。
「バスを待とう」と決め、子供達より帰宅が遅くなってしまうことを
大家さんに電話で連絡した。
大家さんからは
「心配するな。子供達に言っておくから!」
と頼もしい返事を頂くことができ、少し安心した。
まだか、まだかとバスを待ち、もう30分以上も待ったころ。
「高いお金を払ってもいい!タクシーで帰ろう!」
と決めた私は
「やっぱりタクシーで帰りたいんだけど。」
とおばちゃんに言った。
するとおばちゃん
「今はない。」
と言う。
「え?今すぐ乗れないの?ダメじゃん。。。」
いつもオチが付いてくるタイ人の話
そうしてる間にも、また近所の人が来て、世間話。
すると、おばちゃん
「きょうはもうバスはないって!おしまいだってよ!」
と言う!
またしても
「えええええええええええ!!!!!!!!!!」
なワタシである。
どうりで、こんなに待ってもバスが来ない訳だ。
もう17時近くになる。
どんだけバスを待っているんだ!?
私はおばちゃんに
「タクシーで帰りたいんだけど。。。」
とお願いすると、
「わかったわかった」
と言ってくれた。
近所のおばちゃんが来たり、おじちゃんが来たり
まるで伝言ゲームのように、口伝えでタクシーを呼んでくれた。
「今、来るから。」
というおばちゃん。
今すぐタクシーに乗れば、30分以内で帰れるだろう。
と、タクシーを待つが。。。
来ない。。。
三女の体力も限界でギャーギャーわめきだすし
早く帰りたい私は、何度か
「タクシーまだかなあ」
と呟いてみた。
そのたびに
「もうすぐ、もうすぐ」
と言うおばちゃん。
いみぐれ
そして30分ほど待っただろうか。。。
やっとタクシーが来た!
「家まで350バーツ」
と運転手に言われ、おばちゃんと二人で顔を見合わせた。
おばちゃんが値段交渉をしてくれ、250バーツまで値切ってくれた。
私はおばちゃんにお礼を言って、急いでタクシーで帰った。
ここが何処かさえ、わからない私。
もう二度と会うことがないだろう、雑貨屋のおばちゃん。
親切なおばちゃんの顔が心に残った。
この田舎町では、「夕方までバスが走っていると思うな」ということを学んだ。
日によってバスのタイムスケジュールが異なるみたいだ。
全く当てにならない路線バス!
もし私が、周りに民家も何もないバス停で一人バスを待っていたら。。。
もしタクシーも捕まらない場所でバスを待っていたら。。。
私はどうやって家に帰れただろう?
あのおばちゃんのところでバスを待っていたのは不幸中の幸いであろう。
などと考えながら。
タクシーで今朝乗ったバス停まで行き、そこから自転車で家に帰った。
すると。
家の前で、長女と次女が待っていてくれた!
学校から帰って来て、1時間半も留守番させてしまった。
だが、大家さんから合鍵をもらったようで、家の中には入れたようだ。
「ママ、おかえり?!」
と次女。
「うちら、シャワーも浴びて、宿題もやったよ!」
という長女。
なんて素晴らしい!!
私は二人にお礼を言い、帰りが遅くなってしまったことを謝った。
夕飯を食べながら、子供達に今日の出来事を話したかったが
いろいろありすぎて、うまく説明出来なかった。
「ママ、今日はとっても疲れちゃったんだ?」
としか、言えなかった。
翌日。
改めてパスポートを見てみると。
私はビザの延長のスタンプが押されている出来ている。よかった!
だが、三女には延長のスタンプが押されていない!
そして「検討中」となっていた。
よって、二ヶ月後に再度出向かなければならないようだ。
またあの緊張感溢れるイミグレーションに行くのは、本当に気が引ける。
また長時間、拘束されるのだろうか。
タイ大使館もそうだったし、イミグレーションもそうだけど。
なぜか、タイのお役所関係はトラブル続きの私。
私のように、「子供3人連れてタイの現地校に入学させる」なんて
かなりレアケースなのだろう。
「トラブるのは、私のせいではない!」
「我が家のケースが、難しいのだ!」
と思いたいワタシ。
三女のビザ延長が出来なかったこと、更にドタバタハラハラな一日だったこともあり
くったくたに疲れてしまったワタシである。。。
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