留学ビザ取得への道ーその2

「留学ビザを取るために、ラオスにあるタイ大使館に行くぞ!」
と張り切る我が家。
いつも通り早起きし、朝ごはんの準備をしていた。
「今日はラオスのタイ大使館に書類を提出するだけだからすぐ帰ってこれるよ」
なんて娘達と話しながらふと気付いた。。。
「ビザの申請って、パスポートを大使館に預けるんじゃなかったっけ??
ってことは、今日はタイに帰って来れないってことじゃない!?」
2回も観光ビザの取得経験があるワタシなのに、ボケボケなワタシ。
「留学ビザ」は時別なモノと思い込んでいたワタシ。
ホテルの予約も宿泊の準備もなーんにもしていなかった、うっかり者なワタシ。
パニックぎみになりながら、急いでネットでラオスのホテルを探し、適当に予約する。
その間に、9歳長女が着替えや洗面用具や宿泊の準備。
ラオスへの出国地であるノンカイ行きのバスに間に合うように、猛スピードで準備した。
そしていざ出発!
大荷物と大切な書類を抱えてバス停へ行く。
私は荷台代わりに自転車を押して行き、一日だけバス停に置かせて貰うようお願いした。
そしてやっぱり、バスは定刻に来ない!
すると9歳長女が
「気持ち悪い。。。」
と言い出す。
「ええ?!具合悪いの?!?さっきまではしゃいでたのに。今日はやめて家に帰る?」
と聞いたが
「いや、行く」
と返事する9歳長女。
ホテルも予約しちゃったし、元気になるかもしれないし、予定通り行くことにした。
そして30分遅れてバスが到着。
娘が具合悪いときに限って混み混み。。。
大量の卵とか積まれてるし。。。狭い。
何とかバスに乗り、揺られてるうちに長女の体調がみるみる悪くなって行く。。。
そして、バスに乗る際「タイの出国ゲートで下ろしてね」と言っておいたのに
終点のバスターミナルまで行ってしまったバスの運転手。
「ここじゃない!出国ゲートで下りるって言ったよ!そこまで戻って欲しい!」
と私は運転手に言い張ったのだが
「もう戻らない」
と運転手。
その間に、客引きのサムローに囲まれる我が家。。。
長女の具合も悪いし、トラブってても仕方ない。
サムローで出国ゲートまで引き返すことにした。
ああ!お金と時間のロス!
しかも9歳長女は具合悪いんだから遠回りしたくないんだよ?(泣)
私は思わずサムローのお兄ちゃんに愚痴ってしまった。
やっとのことで出国ゲートへ辿り着く。
いつもなら、荷物を持ったり先に並んでてくれたりいろいろ助けてくれる9歳長女。
その長女がダウンだから、いつも以上にハードな私。
1歳三女を背負い、家族4人分の宿泊荷物を持ち、出国カードに記入しラオス行きのバスに乗る。
そして何とかラオスに入国し、タクシーでタイ大使館へ向かった。
タイ大使館は混雑しており、ここでも順番待ち。
番号札を受け取り、しばらく待つ。
またここで私のボケ発覚!
「まだビザ申請書、書いてなかった。。。」
ビザの種類は何であれ、パスポートと一緒にビザ申請書をタイ大使館に提出しなければならない。
いつもは、予め申請書をタイ大使館のホームページからダウンロードし自宅で記入してから来るのだが。
学校から書類を受け取った時点で満足してしまったワタシ。
急いで、タイ大使館に用意されているビザ申請書に英語で記入した。もちろん、四人分。
「一人一枚」で済むところ、私の場合「一人四枚」になるからホント面倒だ。
横たわる具合の悪い9歳長女の横で、キャーキャー騒ぐ1歳三女。
「お腹空いた?」「のど乾いた?」「お菓子ちょうだ?い」と注文の多い4歳次女。
元気な2人の相手をしつつ、自分のボケ発覚に焦ったり、長女の様子も心配したり
ずっと気持ちが落ち着かなかった。
私の番号が呼ばれるまでにビザ申請書の記入を終え、もう必要なものがないか再度チェック。
もう大丈夫だ。
あとは、例の「気になる書類」さえ突っ込まれないことを願うのみ!
そして私の番になった。
面接官に、留学ビザを取りたい旨を伝え、持って来た書類を渡す。
するとさっと目を通し
「時間がかかるからあなた最後
と言われた。
「ええ!ずっと待ってたのに?!」
と思ったが、ここで面接官の気分を悪くさせてはいけない!
何と言っても、ビザの発給は面接官次第なのだ!
面接官に嫌われたらオシマイなのだ。
そして。
この女性面接官、厳しい顔つきでニコリともしない。
前回もこの女性面接官だったから覚えている。
ここは「微笑みの国タイランド」だぞと思いながら、またこの女性面接官に当たり嫌な予感がした。
何故なら、前回観光ビザを取る際にいろいろと突っ込まれ、挙げ句の果てビザの期限を短くされてしまった
からだ。
ほかの申請者がみんな居なくなり、ようやく呼ばれた私。
女性面接官に
「二つ書類が足りないから学校側に用意してもらってまた来なさい」
と大量の書類とパスポートをそのまま突き返された
「ちょっと待って!ここまで準備を進めて来て、こんな大変な思いしてやって来たのに
このまま帰れってこと?」
頭が真っ白になった。とりあえず何が足りないのか聞いて見た。
「バース○○とIDカードが足りない。バース○○は日本大使館へ行ってもらって来なさい。
IDカードは学校に用意してもらいなさい」
と言われた。
「バース○○」って英語、聞いたことない言葉だったが
きっと「バース」って言ってるから戸籍謄本のことだと思った私は
「日本から取り寄せて、日本語からタイ語に翻訳もした。それがこの書類の中に入ってるはずだ」
と言い返した。
「入ってない入ってない。もう一度学校に聞け」
と片付けを始める女性面接官。
書類とパスポートを手に
「私はどうしたらいいんだ!?」
と女性面接官に訴えた。
このまま帰るなんて嫌!
引き下がることはできない!
私は学校が用意してくれた書類を取り出し、そこから翻訳した戸籍謄本を探し出し
「コレがバース○○だ!」
と言った。
バースなんちゃらって単語、知らなかったからきっと正しく言えてなかっただろうけど。。。
私は戸籍謄本の記載内容について、一つ一つ説明をした。
しかし、女性面接官の反応はイマイチ。
やっぱり戸籍謄本とは別に必要な書類があるのかもしれない、と不安になりつつ。
次に
「IDカードというものは日本にはない!私は日本人だから学校はIDカードを作れないはずだ!」
と強気で言ってみた。
だが、女性面接官は無言で書類をめくっている。。。
おんぶしていた1歳三女が次第にグズリ出して来た。
グズる三女にだけは笑顔を振りまく女性面接官。
「なんだ。優しそうじゃん。。。」
なんて思いながら私も三女をあやすのに必死。
おんぶしながらリズミカルに動き続けるアラフォーのワタシ。。。
そんな必死な私を見て
「この書類全て、あと二部ずつ、今すぐコピーして来なさい」
と言ってきた。
「ええ!こんな大量の書類、二部ずつコピー!?なんてな。。。」
と気絶しそうになりながらも、言われたことはやるしかない。
そして、タイ大使館にあるオンボロコピー機のとこへ行った。
ボタンを押しても動かない。
何度やっても駄目。
だが、もう昼休みの時間らしく周りに大使館の人がいない。。。
再び窓口まで戻り、そこにいた若いお兄さんに助けを求めた。
このお兄さん、おそらく新人なのだろう。
番号札を配ったり、旅行者からの質問に答えたり、掃除したり雑用ばかりやっている。
実は私も質問させてもらってた、このお兄さん。
私と女性面接官のやり取りも側で見ていたから全ての流れを知っている。
一緒にコピー機のところへ来て手伝ってくれることになった。
お兄さんが押してもやっぱり動かないオンボロコピー機。。。
お兄さんがコピー機をチェックし始めてしばらく。。。
コンセントが抜けてることが判明。。。
動くことがわかって一安心したのも束の間。
ウイーン、ウイーン、ウイーン。。。
非常に遅い。。。
「どんだけ時間がかかるんだ??!早くホテルに行って9歳長女を休ませたいのに(泣)」
と心配になりながらも、やるしかない。
そして20枚ほど終えたところで。
チーン。。。
ついにオンボロコピー機は動かなくなった。
。。。用紙切れだ。
「残りは外のコピー屋さんでやって来て下さい」
とお兄さん。
「今度はコピー屋に行くんかい!」
と思いながら、やっぱりやるしかない。
タイ大使館を出る時
「急いで?!」
と声をかけてくる女性面接官。
アラフォーの私は1歳三女を背負いながら、炎天下の中ラオスの町を走りましたよ、ハイ。
のんびりムードの南国で駆け回ってるのはワタシくらいなもんだ。
そして近くのコピー屋さんへ駆け込む。
さすがプロ!
ソートできるコピー機で、あっという間に30枚?二部のコピーをやってくれた。
最初からプロに頼めばよかった。。。
こうしてコピーした書類を持参し、再びタイ大使館へ戻った。
女性面接官の姿もお兄さんの姿もない。
奥で昼ご飯を食べていた男性面接官がやってきて
「彼女は昼ご飯を食べに行った。コピーした書類とビザ申請料を払って今日は帰りなさい。
領収書は明日渡す。明日は2時半に来て下さい。」
と言う。
通常ビザの受け取りは、1時半から始まる。
私は思わず
「午後の2時半ですよね?」
と聞いてしまった。
なぜ1時半じゃないのか。
2時半に来いってことは、やっぱり今日の残りを明日やるってことだ。
明日また面接しないといけないんだ。
私は申請料を払い、重たい気持ちで昼休みで誰もいなくなったタイ大使館を後にした。
とにかく9歳長女の具合が心配だ。
ホテルへ向うタクシーでも苦しそうにしている。
20分ほどでホテルへ到着。
部屋に入り9歳長女はすぐ横になる。
今日はもう出歩く必要はない。
9歳長女を休ませてあげられることに私はホッとした。
夕方になり、4歳次女の「お腹空いたコール」がうるさいのでホテルのレストランで夕食を食べた。
朝からコーヒー一杯しか口に入れてなかったワタシ。
食事を取る時間も無ければ、緊張と心配で食欲もなかった。
レストランの食事は美味しかったけど、部屋で寝てる9歳長女が心配でゆっくり味わう気がしなかった。
明日は2時半にタイ大使館へ行くが、頼んだタクシーは1時に迎えに来ることになっている。
ホテルのチェックアウトの時間12時まで、9歳長女をゆっくりさせてあげよう。
今日一日、移動したり待ったりと疲れただろう4歳次女と1歳三女を休ませるために、子供達を早目に寝かせた。
私は今日の慌ただしかった一日を振り返った。
明日はビザが貰えるのか、それとも支払った申請料と共に突き返されてしまうのか、
また明日も作業をするのか、いろんなケースを考えた。
作業をする場合、9歳長女の体力が持つか、ということも心配だった。
これ以上、彼女をあっちこっち連れ回したり長時間待たせたりしたくなかった。
バスが目的地に行ってくれなかったこと、9歳長女の体調が急に悪くなったこと、
アクシデント続きのワタシ。。。
そんなことを考えていたらもちろん気持ちは休まらず、眠れぬ夜を過ごした。。。
さあ、明日はどんな一日になるのであろうか。。。
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