困った居候

先日、キッチンで夕飯の準備をしていたときのこと。
「ドタドタドタッ」
と音がして、何かがやって来た。
上を見上げると。。。
「ギャー!トッケーだ?!」
と大騒ぎしてしまったワタシ。
「トッケー」とはタイの「大トカゲ」である。
チンチョ(ヤモリ)は大きくても10センチほどだし、室内にもたくさんいるし、もう見慣れてしまったが
この大トカゲは20センチ以上あり、太くて気持ち悪い。
この大トカゲは、「トッケー」と鳴くので、「トッケー」という名前なのだ。
毎晩夜になると、外からトッケーの鳴き声が聞こえるのだが
「日本から戻って来てからのここ数日は、トッケーの鳴き声が大きいなあ。」
「すぐ近くで鳴いてるのかなあ。」
なんて思っていたら。。。キッチンにいたなんて!
トッケー
キッチン上部には、網戸が張ってあるので、室内に入ってはこないのだが
でも網戸一枚挟んでるだけで、すぐ近くにトッケーがへばり付いているのは嫌なものだ。
トッケーが大の苦手な10歳長女は放っておき、私と5歳次女でトッケー退治をすることにした。
水をかけたりお湯をかけたり、壁を叩いてみたり。
それでも動かないトッケー。
ギャーギャー言いながら、トッケー退治をしていると、我が家の庭の畑を耕しに、顔なじみのオジちゃんがやって来た。
「トッケーが内側にいるから取って!」
とお願いしキッチンの外側に案内した。
オジちゃんは外から壁をバンバン叩き、見えかけたトッケーのしっぽを素手で掴み
引きずり出そうとしたが、また内側に入られてしまった。
もっと強く壁を叩き、壁が壊れるんじゃないかというところで
トッケーはやっと逃げて行った。
私はオジちゃんにお礼を言い
「トッケー、嫌い!」
と言うと、オジちゃんは
「トッケーは噛みつかないよ。」
と笑いながら帰って行った。
「これで安心!」
と家に戻ると。。。
またいるではないか!!
もう、戻って来てしまったらしい。
でも、オジちゃんは帰ってしまった。
再び私はトッケーと格闘した。
水攻撃は全く効果ナシなので、熱湯攻撃を試みた。
お湯を沸かし、コップでトッケー目掛けて熱湯をかけるのだ!
子供達に
「離れてなさい!」
と指示し、
「ママ、がんばって!」
と次女と三女が見守る中、熱湯をかけてみた。
しかし。
なかなかトッケーに当たらないのである。。。
何度もあっちこっちかけたので鍋のお湯はすぐになくなるし、キッチンは水浸しである。
でも、かすかに熱湯が当たると、トッケーはサササッと動くので、やはり熱いのだろう。
ワタシ VS トッケー の攻防戦はしばらく続いた。
そしてついに、ワタシの勝ち!!
熱湯に負けて、トッケーは逃げて行ったのだった。
ようやく安心して、みんなで夕飯を食べ、眠りにつくことが出来た。
そして翌朝。
また、アイツがへばり付いているではないか!
きっと、我が家が日本へ帰っている間に、住み着いてしまったのだろう。
私は大家さんに相談した。
大家さんが「何とかするから待ってなさい」ということになった。
そして午後。
大家さんは、知人のおじさんを連れてやって来た。
キッチンの窓に、防寒用に取り付けた板を取り外し、もう一度隙間なく釘で打ち付けると言うのだ。
板を外してみると、おじさんは
「トッケーがまだここにいるよ。二匹いる。」
と言うではないか!
二匹!!
しかも、トッケーが出て来ないので、棒で突つくと言うのだ。
退治2
私達女子は一目散にその場から離れてしまった。
結局。
「防寒用の板は、これからの季節は必要ない」
と言うことになり、板を取り外しただけで終わった。
っていうことは。。。
またトッケーがやって来るってこと???
今夜もトッケーと戦う羽目になるのか、ドキドキなワタシである。。。
退治3
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