9月いっぱいで、学校の1学期が終わる。
9月の最後の週は、学校の期末テストだった。
無事に期末テストが終わり、この学校に通う最後の登校日。
私と三女は、いつも通り、6時50分に子供たちのスクールバスを見送った。
この学校に通い始めて、丸二年。
転校したばかりの頃は、長女は4年生、次女は幼稚園だった。
二人ともタイ語などぜんぜんわからないのに、教室に放り込まれタイ人に囲まれての生活が始まったのだ。
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当初は、緊張のため、表情が固かった次女。
「トイレにトイレットペーパーがないから学校のトイレに入れない」
と言って、一日中トイレを我慢して帰ってきたこともあった。
先生の言ってることも、友達の言ってることもわからない中で一日を過ごすのは幼いながら辛いこともあっただろう。
妹の手前、「しっかりしなきゃ」と責任感の強い長女。
長女も同じく、タイ語はちんぷんかんぷんだったが、すぐにタイ人の友達ができた。
友達ができてからは、言葉がみるみるうちに上達し、妹が困っているときはすべて長女が通訳&お世話係となってくれた。
先生への連絡事項、親への連絡事項など、妹のことも含め、すべて長女が仕切ってくれた。
本当にしっかりした、頼りになるお姉ちゃんに成長した。
長女も次女も、現在の学校に来てから、先生のことが好きになり学校が好きになった。
学校のイベントでタイのダンスを披露したり、ドレスを着て踊ったり、タイの文化に触れることもできた。
一方、日本人だからと言って、意地悪する子もいれば、仲間外れにする子もいた。
長女や次女の持ち物を盗む子もいれば、それを叱らない先生もいた。
笑って帰ってくる日もあれば、肩を落として帰って来る日もあった。
そんなわが子の姿を見て、私も同じように嬉しい日もあれば、辛くて涙を流す日もあった。
こんな2年間を過ごし、私が今、長女と次女に言えること。
それは
「よくここまで頑張って来たね。よくここまで乗り越えて来たね。本当に素晴らしいと思う!」
ということだ。
そして、この言葉を、通学最終日の前日、私はベッドの中で長女と次女に伝えた。
長女は
「本当だよね。自分でも、よくがんばったなーって思うよ。」
「最初はね、先生が話しかけてくれてもさっぱり分からなかったの。」
「でも今はね、何言ってるか、全部わかる!タイ語で話すのは楽しいよ!」
「むかつく先生もいるけど、大好きな先生もたくさんいるし!」
と言っていた。
次女は、まだよく理解できないらしく、
「えっ?明日で学校終わり?休みなの?やったー寝坊できるー!勉強もしなくていいんだ~?」
と次女らしい反応であった。
私が次女に、
「学校楽しかった?」
と聞くと
「楽しいよ!○○ちゃんとか○○ちゃんとか、私に優しくしてくれるの!先生も優しいし、私には怒らないんだよ!」
と得意げだった。
この二年間のうちに、長女も次女も、この学校になじみ、先生と仲良くなり充実した生活を送ってきたのは確かなようだ。
タイの学校は、先生と生徒の距離が近い。
悪く言えば、先生に対して「節度がない」「失礼」「礼儀がない」とも言えるのだがそんな生徒を見る先生方の目が優しい。
タイの先生は、怒ると生徒のお尻をビシビシと棒で叩くけれど生徒にお菓子をくれたり、モノを貸してくれたり、写真を取ったり
「面倒見のいいおじちゃん、おばちゃん」
的な存在でもあるように見える。
私が小学校の頃は、こんなに先生と仲良くできなかった。
良くも悪くも、先生と生徒の間に距離があって、先生と一緒にふざけ合うことも滅多になかったと思う。
そう考えると、タイに来てから、長女も次女も、「親以外の大人」と関わる時間が多く、これは子供達にとって、いいことだったなと私は思う。
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登校最後の日。
帰りの全校集会で、長女が表彰された。
数カ月前に行われた「英語コンテスト」で2位を取ったからだ。
そして、長女と次女にとって「最後の登校日」ということを知っている事務の先生は表彰式で取った写真を、長女にプレゼントしてくれたのだ!
頂いた封筒の中には、長女の写真以外に、先生全員の写真も含まれていた。
「先生達だけの写真だよ!きっと先生のことを忘れないでっていう意味なんだろうね。」
と長女は言っていた。
その通りだと思う。
いいことも悪いことも、いろんな経験をさせてくれたこの学校に私は心から感謝している。
タイ語も話せない外国人を、快く受け入れてくれ、面倒なビザの書類までお世話してくれたこの学校の先生方には、感謝しきれないくらいだ。
我が家がここまで「前進」してこれたのも、この学校に巡り合えたおかげである。
しかし、この学校は終了だが、タイの生活はここで終わりではない。
新たにスタートし、再び「前進」していかなければならないのだ。
私はこの日、夕飯の準備をしながら
「学校生活、本当にお疲れさま!よくがんばったね!」
「でも、今日で終わりなわけじゃないよ。」
「次は、バンコクの学校で、また一から頑張ろうね!ママも仕事頑張るから!」
と長女に言った。
長女は
「もちろんわかってるよ!バンコクの学校、楽しみだもん!」
と言っていた。
次女には
「もう少ししたら、ママのお仕事が始まるから、自分のことは自分で出来るようにするんだよ!」
と言うと
「大丈夫だよ!ママが帰ってくる前に、シャワーを浴びて宿題やっておくから!でもご飯はどうしたらいいの?」
と食いしん坊な次女らしい答えをしてくれた。
ひとまず、子供たちの学校が終了し、先生方にもお礼を済ませ気持ちがすっきり出来た。
一つずつ、ノンカイでの生活が幕を下ろしバンコクの生活が近づいて来ている。
「もうすぐ大家さんともお別れだね。」
という長女に
「始まりがあれば終わりがある。出会いがあれば、別れがある。寂しいけど、それは仕方のないことだよね。」
と私は答えた。
「そうだよね。いつかはママも死んじゃうんだもんね。ママ死なないで~」
という長女。
確かにそうだけど…それはちょっと早すぎやしないかっ?!
ここ最近では、事あるごとに
「バンコクに引っ越すの楽しみじゃない?」
とテンション高めなパパ。
そんなパパとは反対にノンカイでの楽しかった思い出、苦しかった思い出がよみがえり、ちょっとテンション低めなワタシである…
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コメント
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長女さん、次女さん、ノンカーイでの学校生活お疲れ様でしたm(__)m
慣れない国での学校生活は本当に大変だった思いますが長女さんも次女さんも頑張りましたね
ぱこさんも本当にお疲れ様でしたm(__)m
これからもタイ生活が続くようですが
無理をせず頑張ってください。
追伸
本当に長女さんは、しっかり者ですね!
うちの息子も見習ってほしいです(;^ω^)
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まめこさん、こんにちは!
応援のメッセージありがとうございます!
これから先も、家族で力を合わせて
乗り越えていけたらいいと思っています。
長女は、最近、反抗期に差し掛かったようで
しっかり者どころではなく、かなり口うるさくなって
来ました…。
まめこさんちは、息子さんなのですね。
男の子は女の子より幼いと言われるぶん、かわいいのではないでしょうか???
ぱこ