我が家の後は…

バンコクへの引っ越しが本決まりになった我が家。

引っ越しの準備をしなければならない。

何を持っていくか、何を処分するか、と考えていた。

タイのコンドミニアムは、家具付きが一般的である。

我が家が借りた部屋も、テレビ、冷蔵庫、テーブル、電気コンロ、ベッド、ソファーなど、一通りの家具が揃っている。

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はっきり言って、今、我が家が使っている家具や家電より数倍もモノがいい!

我が家の冷蔵庫なんて、ワンドアだし、マットレスはスプリングが壊れてギシギシ言ってるし、そもそもソファーなんてないし、もちろんテレビもない。

「家賃は上がるけど、その分、生活レベルも上がる!」

とちょっと(いや、かなり)嬉しいワタシ。

家具や家電がすでに用意されているため、今私たちが使っているものはすべて処分しなければならない。

処分するにはどうしたらいいのか大家さんに聞いてみると

「売ればいい」

と一言。

私はてっきり、リサイクル業者みたいなところに買い取ってもらうと思っていたのだがそうではなく、欲しい人を自分で探し、個人で直接やりとりするようなのだ。

知人も友人もいない私は、

「我が家の不用品を買い取ってくれる人なんているのだろうか?」

と心配になり、どこの誰に売ればいいのか、さっぱりわからなかった。

そんなときに頼れるのは、大家さんしかいない!

私は、大家さんに

「マットレスも家電もいらないんだけど、どうやって売ればいいの?」

と尋ねた。

大家さんは、

「いくらで売りたいのか、決めておきなさい。誰か欲しい人がいるか、探してあげるから。」

と言ってくれた。

最後の最後まで、大家さんに助けられっぱなしのワタシである・・・。

そして数日後。

大家さんに呼ばれ

「うちの姪が買い取るって言ってるよ。いくらかにするか決めたか?後で、姪と一緒に見に行くから。」

と教えてくれた。

「本当?ありがとう!!」

と私はお礼を言い、家で待っていた。

そして夕方。

「ウーイ!(おーい!)」

と大家さんがやってきた。

大家さんと一緒にやってきたのは、大家さんの姪っ子さん。

と言っても、私と同い年のおばちゃんである。

名前は「メーキティ」。

メーキティは、大家さん家の隣、うちの家の前に、両親と一緒に住んでいる。
つまり、実家暮らし。

私にとっては、お隣さんでもあり、顔見知りでもある。
メーキティには、2歳の娘さんがいて、うちの三女と一つ違い。

今年、男の子の赤ちゃんを産んだばかりで、出産後は、赤ちゃんを見せてもらいに行ったこともある。

大家さんと一緒にやってきたメーキティは、我が家の洗濯機や冷蔵庫、マットレスやガスコンロなどをチェックしながら、

「全部でいくらにしてくれる?」

と聞いてきた。
メーキティの家は、旦那さんがバンコクに出稼ぎに行っていて旦那さんの仕送りで生活している。

持っているものや着ているもの、家の様子からしてお金に余裕があるわけではなさそうだ。

我が家の希望金額を私が告げると、メーキティはしばらく考え

「全部買い取るから、まけてくれる?」

と控えめに言ってきた。

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私にしてみたら、買い取ってくれるだけもラッキー♪だったので

パパと相談して、かなりお得な価格設定にしてあげた。

値段を聞いたメーキティは

「本当にこの値段でいいの?ありがとう!」

と、とても嬉しそうだった。

そんなメーキティの様子に、私が喜び、私が喜ぶ姿にパパが喜んでいた。

私達の使い古したものだけど、それがメーキティの役に立ちメーキティが喜ぶ姿を見るのは、大家さんだって嬉しいはず。

些細なことだけど、大家さんへの恩返しに繋がるのではないかと思い私は心から嬉しかった。

そんな中、メーキティが

「この家には蚊がいる?」

と聞いてきた。

今メーキティが住んでいる実家は、蚊が多くて悩んでいるそうだ。

タイの蚊はテング熱の危険があるため、メーキティは赤ちゃんが蚊に刺されるのを心配しているのだった。

私達が住んでいるこの家は、タイの家では珍しく、網戸があるので

「網戸があるから、家の中に蚊は少ないよ」

と私が言うと、納得した様子だった。

どうやら、私達が引っ越した後、この家に住むことを考えているらしい。

だから、蚊がいるかどうか、気にしていたようなのだ。

私は、メーキティに

「チンチョ(タイのヤモリ)はたくさんいるけど、蚊は少ないよ!」

「寝室にエアコンもあるし、お湯も出る!快適だよ!」

とお勧めした。

私は、メーキティにここの家を使ってもらいたいと思ったしそうなりそうな話の流れではあった。

私は、私達が引っ越したあと、この家が空き家になってしまったら大家さんが寂しがるのではないかと、気になっていた。

この家が、空き家となってボロボロになるのも嫌だし、借り手がみつからなかったら大家さんの収入源が減ってしまう。

そんなことを気にしていた私は、メーキティがここに住めば、実家の両親も大家さんも寂しくないし

この家も、「虫やチンチョの屋敷」にならずに済むと思ったのだ。

大家さんとメーキティが帰った後私はルンルンだった。

我が家の不要品を買い取ってもらえたこと、その相手が大家さんの姪っ子のメーキティであること、私達が引っ越した後はこの家をメーキティが使ってくれるかもしれないということ、全てが嬉しかった。

そんなわけで、不要な物はすべておきっぱなしのまま、家電も家具も使いっぱなしのまま、
必要なものだけ持って行けばいいという、超楽チンな引越しができることになった
ワタシである。。。

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