火の玉!?

イサーン地方の田舎町「ノンカイ」。
特に観光地でない町だが、年に一度、世界中から観光客が集まるイベントがある。
それが「パンファイパヤーナーク」。
覚えられないから「火の玉」で通すことにする。
これは「水中から火の玉が出るという現象」だが科学的に証明されておらず
謎のままであるという。超常現象ってやつ。
ーメコン川に住む龍神が、天空のブッダに向かって感謝の意を込めて火の玉を発しているー
という言い伝えらしい。
以前から「火の玉」のことは知っていて、興味はあった。
しかし。
ー世界中から人が集まる。
ー前日からテントで寝泊まり&場所取り。
ーすさまじい交通渋滞にハマる。
ー自然の中のイベント故、店などなく食料・水は全て持参。
なんてことを聞いていた私は
「行きたい気もするが 敢えて行かない」と決めていた。
乳飲み子連れて人混みなんて、大変な思いをするのは目に見えていたから。
しかーし。。。
我が家にタイ語を教えに来てくれる、モック先生。
いつもみっちり3時間教えてくれるのだが、その日は少し早目に終わった。
「今日は年に一度の火の玉の日よ!今日しか見れないのよ!一緒に行こう!」
と誘ってきた。道中大変な目に合うことを恐れていた私はもちろんお断りした。
しかし、しつこく誘ってくるモック先生の様子に子供達も何やら気付いたらしく
仕方なく娘達に事情を説明した。そして。。。恐れていた通り。。。
「行きたい行きたい!絶対行くううううううう!」
とはしゃぎ出す娘達。。。と、ノリノリなモック先生。
私は交通渋滞や混雑ぶりなどを説明し「小さい子供にはハード過ぎる」と
懸念事項を説明した。すると
「現在は道路は整備されて渋滞は緩和されている。店もある。混んでるけど夜11時には
帰って来れる」
と言う。
私は「それほど混雑してないなら。。。11時に帰宅できるなら頑張れるかも。。。
何と言っても来年もタイに居られるとは限らないし。。。」なんて思い始めた末
行くことに決めたのだ。
1時間後にモック先生の車で迎えに来てもらい、近所のお寺まで行った。
お寺でバンに乗り換え、数人で行くことになっているという。バンの運転手はモック先生の旦那さん。
お寺に到着し出発を待ってる間、タンブン(お参り)をした。

火の玉9
同乗者はまだ来ていないらしく、先にバンの中で待っていた。
お寺のバンを借りてるらしく結構立派!
「豪華だね?!キラキラがついてるー」なんて喜ぶ娘。
そしていよいよ出発時間。
すると、お坊さんが乗って来たのだ。
「お坊さんと一緒に行くの??やった?!始めて?!」
と更に喜ぶ娘達。
こうしてモック先生と我が家4人、お坊さん数名で出発したのだった。
火の玉3
出発してすぐ、モック先生はお寺で買っていたお菓子とジュースを取り出す。
「コーラは体に悪いから私は飲まない」
と言いながらそのコーラを娘達に差し出すモック先生。
いやいや体に悪いならうちらだっていらないよ、と思いながら
オレンジジュースを選ばせて頂いた。タイ人の言動と行動、たまに理解不能。
そして早速お菓子タイム。
もち米で作ったタイのお菓子。せんべいみたいなもの。デカイ。


娘達はしばらくしてごちそうさま。
しかし、モック先生。
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ食べる食べる食べる。。。
( 昼ごはん食べた?)
ぺちゃくちゃぺちゃくちゃぺちゃくちゃぺちゃくちゃ喋る喋る喋る。。。
(聞いてる私の集中力が持たない。。。)
グーグーグーグーグーグーグーグーグーグーグーグーよく寝るよく寝るよく寝る。。。
( お菓子と喋りで口が疲れたのかしら?)
ふふふ?んふふふ?んふふふ?んふふふ?んふふふ?ん歌う歌う歌う。。。
(今度は鼻歌かいっ)
面白いほど、マイペース。靴脱いで、あぐらかいて超リラックス。
そんなモック先生の座席の前には静かに座ってるお坊さん達。
お坊さんは昼以降、水しか口にしてはいけないと言う。次の日の朝ごはんまで断食中。
私だったらそんなお坊さんの前で何か食べるのは申し訳なく思ってしまうのだが。。。
火の玉会場に近づくにつれ、やっぱりハマった大渋滞!
火の玉4
観光バスもたくさん。世界から人が集まるならそりゃあ混むのは当たり前。
タイの元タクシン首相夫妻も来てるのだとか。
子供達はよく寝てるし、渋滞は気にしないことにした。
結局、お寺を出発してから4時間が経過。
一回も休憩なしでメコン川の会場に到着。
辺りはすっかり暗くなり、夜空には無数の提灯が浮かんでいた。キレイ。
提灯
「タイには花火大会がない」と悲しんでいた娘達は嬉しそう。
そしてついに「火の玉」出現!!
火の玉5
いつ、どこから飛び出してくるのかわからないからシャッターチャンスが難しい。
「火の玉」は真っ赤で真上に突き上げるように飛び出して来る。
小さくて、スピードが早いから、集中してないと見逃してしまう。
子供達は両手を合わせ「お願い」のポーズ。流れ星と勘違いしている様子。
火の玉が飛び出すたびに、おおー!という大歓声があがりパチパチパチパチと大拍手。
タイ人はお祭り騒ぎが好きらしい。
「火の玉」が出現するのはほんの40分間ほど。
だんだん火の玉の数が減って来て、そろそろ終了らしい。
「さあ、車に戻ろう」
とモック先生。
「やっと辿り着いたのにまた車に乗るのか?」とちょっと憂鬱になったけど仕方ない。
再びバンに乗り込み、モック先生手作りのカウパット(チャーハン)を頂いた。
来た時以上に帰りは大大大渋滞。。。
やっぱり私が懸念してた通りじゃないか!
途中から
「近道!近道!」
と言って山道に入り、真っ暗なデコボコ道を走って行った。
灯り一つない真っ暗な道、パンクするのではないかと思うほどのガタガタ道。
私はちょっと心細かったし、本当に近道なのか心配であったが、車が大きく揺れる度に
「ジャンピング!ジャンピング!ヒューヒュー!」
って笑ってるモック先生に安心した。
結局、帰りは5時間かかった。家に着いたのは深夜1時半
車中、興奮してるのか、1歳児は幾度となく泣き叫び。。。
やっと家に着いたと思ったら、4歳次女は疲れと眠気と興奮で大泣きし、
椅子にしがみついて車から降りない。何を言ってもダメ。
お坊さんも目がテン。。。
仕方ない、力ずくで降ろし、大暴れする次女をモック先生の旦那さんにお願いし
何とか抱き抱えられながら室内へ。。。そして30分以上泣き続けた次女。。。参った、私。
翌日。
「火の玉、キレイだったね?」
「お姉ちゃんは何をお願いしたの??」
なんて会話してる娘達の横で私はヘトヘト。。。
しばらく夜の外出はしたくないのだった。
「子供達?!お空の明るいうち、しかもチャリで行けるとこしかお出かけしませんからね?」
ちゃり
想像通りの大変さはあったけど、ノンカイ名物「火の玉」が見れてそれはそれで満足なのであった。
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