ここ数日。
「中華料理、食べたくない？」
「ねえねえ、中華料理、食べたいと思わない？」
「ああ～中華料理食いてえええ～」
と朝から晩まで、事あるごとに言い続けていたパパ。
タイは中国やラオス、ベトナムなどの食文化が入って来ているので
春巻きやシュウマイや肉まんなど、中華料理っぽいものもある。
しかし。
パパが言うところの「中華」とは、エビチリ炒めとかチンジャオロースとか
そういう類のものである。
ここはタイのド田舎なので、中華料理専門店などあるはずがない。
隣町の中心地へ行っても、ラーメンなどの和食はあっても中華はないのだ。
「タイ人って、中華料理食べないのかなあ」
と素朴な疑問を抱きながら、この辺に中華料理レストランがないかネットで調べていたパパ。
「まあ、好きにしてくれ」
と思った私は、パパに中華丼を作ってみたりしたのだが、満足できるハズもなく。。。
そんなある日。
「中華風タイ料理レストランがあるぞ！」
と言うパパ。
連日ネットで探した結果、どうやら見つけたらしい。
それはノンカイという町の中心部にあるレストランだ。
そしてある日の昼。
パパが急に
「今日の昼ごはん、例の中華料理レストランに行ってみようよ！」
と言ってきた。
私は家でやりたいこともあったし、中華を食べるという気分ではなかったのだが
「一緒に行こうよ～。オレ、メニュー読めないし～」
と言うパパの為に、レジャーを兼ねて家族みんなで行くことにした。
車で30分ほどで目的のレストランへ到着。
インターネットに載ってる店とは言え、いわゆるタイのレストラン。
キレイでもなければ、屋外なのでエアコンもない。
「ええ～この店～！？」
と言うイマイチな反応の子供達だったが、試しに入ってみた。
「子供達は何食べたい？」
と聞くと、みんな揃って
「おかゆ！」
との返事。
パパはまだメニュー選びに悩んでいる。
と言うより、英語もタイ語もわからずメニューが読めないのだ。
私が大雑把にメニューを教えたのだが、残念ながらパパの思い描いていた
「エビチリ」や「チンジャオロース」などはない。
そして悩んだパパは自分でメニューをめくったかと思うと
「あっ！オレ、これにする！オムレツがいい！オムレツ食べたい?」
と言うではないか！
「ええ！オムレツ？？中華じゃなくていいの？」
とビックリな私。
あんなに「中華！中華！」と騒ぎ続けてきたのに、オムレツかい！
中華を食べるためにわざわざやって来たのに、オムレツかい！
・・・そして我が家は。
タイのおかゆ「ジョーク」と「オムレツ」と言う、どこでも食べれる、
いや、私でも作れるメニューを食べたのだった。
唯一の中華料理と言えば「春巻き」であろう。
春巻きというより「エビのすり身揚げ」であったが、美味しかった。
「なぜここまで来たのか？」という疑問をぬぐえない私であったが
食事をしていると、なんと象さんがやって来たのだ！
子供達は大喜び！パパも物珍しそうに見ていた。
買ったエサを象さんにあげる子供達。
おっかなビックリしながら
「可愛い～！」
と喜んでいた。
象さんに会えたのだから、ここまで来た甲斐があるというものだ。
後日。
「あの中華レストラン、どう？また行きたい？」
と聞いてみた私。
「うーん。もういいかな。オレ、中華食べてないし～」
というパパ。
「中華食べてないって言うけど、オムレツ選んだの自分でしょ～！」
と思いつつ、パパの一致しない言動が全く持って理解できないワタシである。。。
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