素敵な贈り物

今年も一つ、歳を取ってしまったワタシ。
家族の為のパーティーは張り切るけど、自分の為には逆に手を抜きたい。
主婦なら誰しもそう思うだろう。
私は朝、ベッドの中で
「誕生日だからタンブン(お布施)をしようかなあ」
と考えていた。
しかし、慌ただしい朝のタンブンはちょっと気合が要る。
毎朝、私は子供達より一足先に起きるのだが、私が起きると必ず目を覚まして
泣きながら起きて来る1歳三女。
三女を落ち着かせるために乳をあげたり抱っこしたりで身支度さえ、なかなか進まない朝の時間。
「タンブンは無理かなあ」
と半分諦めながらベッドから起き上がった。
まだ子供達は寝ている。
私はさっさと着替え、身支度をした。
まだ子供達は寝ている。
私は更に、朝ご飯の準備もした。
まだ子供達は寝ている。
タンブンのお供え物も用意した。
まだ子供達は寝ている。
表の門の鍵を開けに行った。
まだ子供達は寝ている!
「おお!今日に限って1歳三女が起きて来ないなんて奇跡だ!これこそ私へのプレゼントだ!」
と思い、私はタンブンすることに決めた。
暫くして、10歳長女がいつもの時間に起きて来た。
長女も「一緒にタンブンする!」ということになり、二人で外に出た。
隣の大家さんも出ている。
「今日は私の誕生日だから、タンブンするんだ。」
と言うと大家さんは
「ハッピーバースデイ!」
と言ってくれた。
朝の5時半。
星が輝いている。
まだ暗い早朝の道を、遠くからお坊さんが歩いてやって来る。
今回も大家さんと一緒に並んで待っていた。
お坊さんが来ると、大家さんは私の方を向き
「今日は彼女の誕生日なんだ。」
とお坊さんに伝えてくれた。
そしてお坊さんは私に向かって何やら唱えてくれた。
長女が言うには
「アーユ(年齢)が何とかって言ってたから、いい年になるように祈ってくれたんじゃない?」
と。
自分のためにお経を唱えてもらうなんて、何だか心強いワタシであった。
無事にタンブンを済ませ、部屋に戻ると。
机の上には素敵なプレゼントが!
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長女からは文房具、次女からはお絵描きのプレゼントだった!
今まで手紙やお絵描きはたくさんもらったことがあるし、お金のない子供にはそれが精一杯だろう。
しかし、お小遣いを手に入れるようになった長女からモノが貰えるとは夢にも思わなかったので
とてもビックリしたと同時に「大事なお金を私の為に使ってくれた」ということがとっても嬉しかった!
ほんの50円にも満たない小さな文房具だったけど、私にとっては宝物だ。
起きて来た5歳次女と長女に、私は何度も「ママは嬉しい??ありがとう!」と言い
たくさん抱きしめてしまった。
タンブンも出来て、プレゼントも貰って、朝からハッピーな気分だった。
そして夕方。
自分の為の誕生日パーティーはするつもりなかったのだが、
「誕生日=ごちそう with ケーキ」を期待している子供達のために、プレゼントのお礼も込めて
夕飯は子供達の好きなもち米とオカズを買い、デザートにタイのお菓子でも買って来てあげようと思って
市場へ買いに行った。
そして市場から帰って来ると大家さんと会った。
大家さんは私に
「何歳になった?」
と、聞いた。
私が返事すると
「後でケーキを買ってくるから子供達に歌を歌ってもらうんだよ!」
と言っているような。。。
大家さんは「ケーキを買ってくる」と言っているようだが
私は「まさかアラフォーのおばちゃん(私)にケーキなんてプレゼントしないよな」
と言う疑いの気持ちもあり、はっきりわからないまま、とりあえずお礼を言った。
5時過ぎ。
娘達が学校から帰って来た。
シャワーを浴び、夕飯の準備をしていると、大家さんがやって来た。
外にいた長女は
「ママ?!大家さんがケーキ持ってる??」
と大声で叫んだ。
それを聞いた次女も外に飛び出し、私も三女もついて行く。
大家さんは本当に誕生日ケーキを用意してくれたのだ!
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「お誕生日おめでとう」そして私の「名前」がタイ語で書いてある。
私も子供達も大喜びした。
ちょうど夕飯を食べるとこだったし、大家さんも誘って一緒に食べることにした。
ロウソクまで用意してくれた大家さん。
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大家さんと子供達で「ハッピーバースデイ」を歌ってくれた。
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ロウソクの火を吹き消すなんて、十何年、いや何十年ぶりだろうか!
子供のようにウキウキしてしまった!
ケーキもカットして、食事タイムスタート。
私は買って来たもち米やオカズ、そして味噌汁を大家さんにも差し出した。
私は「今日は手抜き」と決めていたが、唯一味噌汁だけでも作っておいて良かったと思った。
そして、大家さんは味噌汁が初めてだったようで「おいしいおいしい」と完食してくれた。
大家さんとは毎日のように顔を合わすが、いつも外で立ち話。
こうして一緒に食事をするのは初めてだった。
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とても賑やかなひとときだった。
そして、味噌汁を完食した大家さんはケーキを食べる。
ほんの一口食べたら、あとは1歳三女に与える与える与える。。。
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まだ、三女にはアイスやケーキやチョコレートなど解禁していない我が家。
長女も
「ママ!妹にケーキあげてる!いいの!?」
と驚いていたが、今日は特別だ。
あっけなく、ケーキの味を覚えた三女であった。
大家さんは途中で「友達の家に行く」と帰っていった。
私はケーキのお礼を言い、嬉しかったことを伝えた。
大家さんが帰った後、長女がポツリ。
「タイ人ってケーキも手で食べるんだね?」
そうなのだ。
食事の際、麺や汁物以外は手で食べるのがタイスタイル。
肉でも魚でも何でも手で食べる。
そして大家さん。
フォークでケーキを小さくカットするまでは日本と一緒なのだが、カットされたケーキは手で食べるのだ。
クリームが付いていようがお構いない。
フォークを使わず、やっぱり手で食べるのだ。
そんなことに驚きつつ、楽しかった私の誕生日!
子供達からのプレゼントと言い、大家さんからのケーキと言い、サプライズだらけの誕生日!
いつも家族を喜ばせる脇役ばかりだけど、たまには自分が主役になるのもいいものだ!と
思った素敵な誕生日であった。
よし!また一年、大切な人達のために頑張るぞ?!
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