Come in !

先日のこと。
娘達とお出掛けから帰って来たところに、大家さんがいたので
少し立ち話をしていた時のこと。
大家さんは、次女の顔にある小さな引っ掻き傷を見つけて
「これはどうしたんだ?」
と聞いて来た。
「蚊にさされて掻いてたら引っ掻いちゃったんだよ。」
と私が話すと
「私みたいにコレを付けておくといいよ。」
と教えてくれた。
「コレ」とは塗り薬なのだろうか、大家さんの首もとには
いつも何か塗られている。
首元がいつも真っ黄色なので、何か付けていることは知っていた。
「汗疹にも効くから三女にもつけてあげなさい」と言う大家さん。
私は大家さんの首元を指し
「コレは薬?何処で買えるの?」
と聞いた。大家さんは
「何処にも売ってない。自分で作るんだよ。」
と教えてくれた。
「手作り!?」
驚いた私は
「材料は、花?それとも葉?ほかに何を入れるのか??」
など聞いて見た。
大家さんはいろいろ説明してくれるが、よく理解出来ないワタシ。。。
大家さんも、私が理解出来ていないことを悟ったらしく
「今から見せてあげるよ。Come In !!」
と私と娘達を呼んだ。
私は
「大家さんってば、いきなり英語を使うなんて、やっぱりオシャレなおばあちゃんだなあ。」
と思いながら、次女と三女に
「大家さんちに入っていいってよ!」
と、後に付いて行かせた。
すると、目の前でバタンと門が閉められてしまった。。。
もちろん、大家さんの愛犬が外に出て行かないように常に閉めているのだが
この時も私達を門の外に待たせたまま、大家さんだけ家の中へ入って行ってしまった。
「やっぱり門の外で待ってるみたいね。中においでって言ったんだけどなあ。」
と私は次女に話していた。
しばらくして大家さんが出て来た。
手には瓶を持っている。
「コレだよ。」
と中を開けると、確かに薬草みたいな匂いがしてくる。
虫除けに使われそうな爽やかな香りだ。
大家さんは、次女の傷と三女の汗疹に塗ってくれた。
が、塗ったところは真っ黄色だ。
「黄色くなるから好きじゃない。。。」とボソっと言う次女。
「タイ人はコレを塗るのが好きなんだよ。」
と言う大家さん。
しかし、黄色くなってるタイ人見たことないが。。。
次に大家さん。
「作り方を教えてあげるから、今からうちの畑に取りに行こう。
Come In !Come In!」
と大家さんちの畑に案内してくれた。
「またまた英語を使ってる。オシャレなおばあちゃんだ。」
と滅多に入ることの出来ない大家さんちの畑にぞろぞろ着いて行った。
草むらをかき分け、木や葉が生い茂った中、
「そこで待ってなさい。」
と言った大家さんは、バキバキガサガサ始めた。
そして取り出して来たのがコレ。
カムイン1
野菜の一種らしく、木の根っこの部分だと思う。
これを擦りおろせばいいらしい。
「木の根っこだったんだ?!」
と初めて解ったワタシ。
しかし、そんなタイ語は知るはずもなく、説明されても解らない私に
大家さんも実物を見せるしかなかったのだろう。
そして
「これ、何て言うの?」
と尋ねると
「Come In !」
と言う大家さん。
「Come In」ではなく「カミーン」だったのだ!
英語の発音と全く一緒!
大家さんの英語の謎が解け、思わず一人で笑ってしまったワタシ。
「中に入っていい訳じゃなかったんだ 」
と納得。
そして、カミーンを頂き、早速作ってみた。
カムイン3
カミーンの絞り汁を、汗疹や傷に塗るといいらしい。
まさしく自然療法だ。
冷蔵庫で保存するので、ヒンヤリしてかゆみが和らぐ。
難点は、黄色い色素がついてしまうこと。
何度も洗えば落ちるけど、年頃の女子には受けが悪く
長女も次女も使いたがらない。
しかし、三女は気に入ったようだ。
つけるとヒンヤリするし、私はこの香りも好きだ。
よって、最近の三女の額とお尻、そして私の指先は常に真っ黄色である。
カムイン2
て
カミーンで、汗疹が改善されることを願いつつ。
「お婆ちゃんの知恵袋」を一つ教えてもらい、
カミーンがどんな植物なのか、とても興味深いワタシである。。。
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