マンゴー事件

タイに戻ってきた現在、タイの学校は夏休みである。
我が家の子供達は、毎日日本の勉強を進めている。
それでも暇を持て余しているので、我が家に友達のチャンティを呼んだ。
弟のシャッカ―とお母さんのリーも来て、みんなで午後の時間を楽しんでいた。
特別暑かったその日。
リーは来るなり
「お水頂戴!」
と言って、我が家の冷蔵庫を勝手に開け、水を取り出す。
私が急いでコップを用意すると、何杯もガブガブ飲んだ。
よほど喉が渇いていたらしい。
すると再び冷蔵庫を開け、今度は冷凍庫から勝手に氷を出し
コップに入れた。
リーはとてもサバサバした性格で私も気を使わず、話しやすい。
しかし、友人の家に行って、
「氷、くれる?」
の一言もなく、まるで自分の家のように勝手に冷蔵庫を開けたり
氷を取り出したりするのにはちょっとビックリした。
タイ人だからか???
思わず笑ってしまった。
さらに
「青いマンゴーが食べたいわ。庭に生ってるマンゴーを取ってくるわ!」
と言い出すリー。
うちに着いたとき、大家さんが育てているたくさんのマンゴーの実をチェックしていたに
違いない。
「大家さんに聞かなくていいの?」
と我が家の子供達は気にしている。
私達がマンゴーが欲しいときは、必ず大家さんに
「マンゴー採ってもいい?」
と聞いて了解を得てから採っているからだ。
リーの性格からして、私は
「マンゴーを採るなら大家さんに断ってね」
とは言い難く
「まあ、一個くらいなら平気だよ。後でママから大家さんに言っておくから。」
と子供達に話しているうちに、リーはマンゴーを取りに外へ行ってしまった。
「あっ!やばい!リーを追いかけろ!」
と子供達を走らせたのだが。
時すでに遅し・・・。
長女と次女が
「ママ!リーが、採っちゃいけない方のマンゴーを採って来ちゃったよ!どうする!?」
と急いで言いに来た。
実は、マンゴーの木は「大家さんの畑」と「我が家の畑」に生えている。
「大家さんの畑」のマンゴーは採ってもいいのだが
「我が家の畑」のマンゴーは黄色く熟すのを待っているから採らないようにと
大家さんから言われているのだ。
リーは我が家の畑のマンゴーをなんと3つも、しかも大きくて立派なものを
採って来てしまった!
今更「それは採っちゃダメ」なんて言えるはずもなく
リーはキッチンから勝手にナイフとお皿を持って来て
マンゴーをカットしている。。。
「ナンプラーと砂糖と唐辛子をちょうだい」
と言って、マンゴーにつけるタレまで作っている、リー。
そして、カットした側から、リーやチャンティやシャッカ―は
むしゃむしゃ食べている・・・。
「ああ、どうしよう~。食べちゃったぁぁぁ」と私。
「大家さんに怒られない?」と長女。
「大家さん、悲しむよ」と次女。
そんな私達の目の前で
「美味しい美味しい!あなた達も食べなさい!」
というリー。
事情を知っている私達は、とくに私と長女は、ほんの一切れしか食べる気に
なれなかった。
holiday1
夕方5時過ぎまで我が家で遊んだチャンティ一家。
holiday2
そろそろ帰る時間になり、外まで見送りに行くと
我が家の畑になっている「コブミカン」の実をもぎ取っている、リー。
「大家さんに怒られないかなあ」
とやっぱり心配している、長女と次女。
リーが「何?」と聞いてきたので、私が
「勝手に採って大丈夫かなあ?」
と言ってみると
「ここの大家さんは知り合いだから大丈夫よ!」
と笑いながら言っていた。
本当にリーと大家さんが知り合いで、勝手に採っても大丈夫な関係ならいいのだけど…。
うちの大家さんはマンゴーが大好きだ。
たまに我が家の畑へ来ては、マンゴーの実を数えているのだ。
実が大きく成長するのを、毎日楽しみにしているのだ。
きっと、マンゴーの実の数が減っているのを知ったら
がっかりするだろう。
長女も次女も
「ダメな方の木のマンゴーを食べちゃったから大家さんが悲しむ」
と心配している。
このマンゴー事件を大家さんに言うべきか、でもリーのことを告げ口するようで
気も進まないし。。。
「細かいことは気にしない」「所有者が誰か?なんてことにこだわらない」
リーのようなタイ人気質に、ハラハラしてしまうワタシである・・・。
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