無事にバンコクへ到着した我が家。
引っ越し屋さんが来るのを、新しい新居で待っていた。
我が家の新居となるコンドミニアムは、すべて家具付きである。
テレビ、ベッド、ソファ、冷蔵庫、洗濯機、テーブル、椅子などすべてそろっている!
さらに、食器や鍋なども用意されていた。
きっと、前回この部屋を使ってた人が置いていったのであろう。
何だかとっても素敵なお部屋?
まるでホテルのようだ!
正直、我が家には・・・似つかわしくない・・・。
長女は、
「いいよ!この部屋!すっごいいいよ!」
と大喜びしていた。
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この部屋の大家さん、いや、オーナーのエーさんは、我が家がバンコクへ到着するなり、仕事を抜け出して、コンドミニアムへ駆けつけてくれた。
エーさんと一緒の部屋で暮らしているクラウディアさん(男)も一緒に来てくれた。
二人の関係は、友達ではなさそうだし・・・恋人か?!
よくわからない。
とにかく、二人とも、とても親切な人だ。
「いらないもの、必要なもの、困ったことがあれば何でも言ってね。」
と歓迎してくれた。
初バンコク生活のワタシにとっては、とても有難い言葉である。
そんなエーさんとクラウディアさんから、温かい言葉を頂き、ホテルのような部屋が用意され、有頂天だった我が家。
気分よく、新たな生活を、始められそうだった。
そんな雰囲気の中、引っ越し屋さんが到着するのを待っていた私達。
しばらくして引っ越し屋さんから電話があった。
「コンドミニアムに着きました」
との連絡だった。
「引っ越しやさん、着いたって!」
と私が言うと、子供達は一目散に部屋を飛び出した。
家族みんなで、エレベーターで下に降り、コンドミニアムの入り口に行くと、昨日のドライバーと奥さんらしき人が待っていた。
「無事に届いてよかったね~!」
と話している私達の目の前で、ドライバーは奥さんと協力しながらピックアップトラックのカバーを外し、荷物を降ろし始めた。
すると!!
我が家の荷物がっ!!
段ボールがっ!!
ビッショビショのヨレヨレである!
そして恐れていたことが!!
ドライバーが段ボールを持ち上げると、底が抜けてしまったのである。
それが、一つだけではない!
二つも三つも四つも五つも・・・・ほぼ全部!
もちろん、中身までビッショリ!
洋服も、本も、ノートも、ぬいぐるみも、何もかもが濡れている。
中には、泥までついているものもある。
ドライバーが言うには
「大雨が降って、カバーに水が溜まってしまった」
とか何とか・・・。
「タイなんて、大雨だってスコールだって、しょっちゅう起きるんだから雨対策は万全にしておくべきなんじゃないの??」
と、私とパパはプンプン!!
「あーあ、こんなびしょ濡れで、どーすんだよー」
とパパも呆れ気味。
「私の描いた絵まで、ボロボロにされた~」
と長女もがっかりしていた。
しっかり段ボールに詰めたはずの我が家の品々は、コンドミニアムの入り口にまき散らされ、それを一つずつ手で運ぶはめになったのである。
何とか、荷物をすべて運び込むと、ドライバーは任務終了とばかりにすぐノンカイへ引き返して行った。
「ごめんなさい」
の一言もなかった。
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雨水でびしょ濡れになった荷物が置かれた我が家の部屋は、ホテルの様な部屋から、一気に「ゴミ屋敷」へと変わってしまった。
「はーーーーーーーーっ」
と大きなため息をつく、私達。
被害がどれだけあるか、一つ一つ確認を始め、濡れてしまったもの多さに、「クリーニング代」を請求してもよさそうなくらいだった。
この部屋のオーナーのエーさんやクラウディアさんの優しさから一転、汚れた品々を目の前にショックを受け、私は天から一気に突き落とされた気分になってしまい、引っ越しの疲れがどっと出てきてしまった。
私は、
「ひどいよ・・・」
としか、言葉が出てこなかった。
それでも気を持ち直し、
「ほんとにひどい!!」
とパパと長女と一緒に文句を言いながら、その怒りをエネルギーに変えて部屋の片づけや、洗濯、掃除を行ったのであった。
今回の引っ越しで、学んだ事。
それは、もしタイで再び引っ越しすることがあればすべてのものに、自分で防水対策をする必要があるということだ。
決して、
「相手がやってくれるだろう」
「気を利かしてくれるだろう」
と、思ってはいけない!!
「何でもアリ」なタイ人もいるのであった。
こんなハプニングもあったけれど、何とか引っ越しを終えバンコクで最初の一日を終えることが出来た。
新しい生活に慣れるまでは、まだまだ時間がかかりそうなワタシ。
買い出し、掃除、片付けなど、朝から一人で動き回っている私とは反対に子供たちとパパは、コンドミニアムの屋上にあるプールへ行ってしまった。
早速、新しい生活を満喫している様子だ。
これからも、いいこと悪いこと、いろんなことが起こるだろうがすべて「人生の勉強」だと思って、笑い飛ばして行けたらいいと思うワタシである・・・。
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