初めての入院ーその2

病院で一夜を明かした我が家。
慣れない場所だったせいか、1歳三女は夜中に何度も泣き出した。
狭いソファーと三女の夜泣きでほとんど眠れなかったワタシ。。。
「眠れぬ夜」は3日目に突入した。
気が張っているせいでテンションは高い。
しかし、アラフォーの身体は正直だ。
ヒドイ顔をしているワタシ。。。
「むむむ…こんな疲れた顔で誰にも会いたくないよお。。。」
まだ朝6時だというのに子供達3人とも起き出す。
もっと寝ててくれ。。。と思ったが、長女の様子が気になり
私も起きることにした。
9歳長女は少し身体が楽になったようだ。
まだ弱々しい声だが、話も出来る。
そして。
「ママ!私ね、昨日初めて車椅子に乗れて嬉しかったの??車椅子に乗るのだったんだ??」
とニコニコしている。
「あんな苦しそうな状態だったのに。。。嬉しかったのね。。。それはそれはよかった。。。」
と若干呆れながらも
「夢が叶ってよかったね!話す元気が出て来たならもう大丈夫!すぐ元気になるよ!」
と私は返事した。
早朝から「お腹空いたコール」が始まる4歳次女。
昨晩買っておいたご飯を、4歳次女と1歳三女にチンして食べさせる。
我が家にはレンジが無いため、レンジって便利だな?と実感した。
しばらくして、9歳長女が
「おせんべいが食べたい」
と言い出した。
具合の悪い時に限り「食べられるなら何でも食べていいよ」というのが我が家のルール。
普段は食生活に厳しいワタシだが、体調不良のときは一気に甘くなる。
「朝ごはんにせんべい」もアリなのだ。
長女のために、散歩がてらおせんべいを買いにセブンイレブンへ行った。
おせんべいと自分用にコーヒーを買って病室へ戻った。
すると!
大家さんがいるではないか!!
「あれ?!?どうしたの?!?」
と驚いてたら
「お見舞いに来てくれたんだよ」
と嬉しそうな9歳長女。
まだ8時前。
面会時間には若干早過ぎな気もするが。。。

わざわざ病院まで来てくれたことが嬉しかった!
きっと子供達のことを心配してくれてたのだろう。
子供達も大家さんに会えて嬉しそうにしている。
私は大家さんに、9歳長女の様子を伝えた。
そして、ラオス行きが急に決まり、出発前に大家さんに挨拶出来なかった事情を話した。
留学ビザを取りに行ってたこと、それまでの準備が大変だったこと、無事に留学ビザがもらえたこと、
長女の容体などを説明した。
そして、「留学ビザが取れたから1年はタイに居られる」と話すと
とってもとっても喜んでくれた!
「子供全員連れて何度もラオスに行くのは大変だよ!1年はタイに居られるのか!よかったよかった!」
と言ってくれた。
大家さんとは毎日のように顔を合わし立ち話をしている。
だが、こうして座りながら長い時間話すのは初めてのことだった。
大家さんの意外な好物を教えてもらったり、楽しい時間だった。
しばらくして、ベテラン看護婦が若い看護婦を従えて娘の様子を見にきた。
すると。
大家さんとベテラン看護婦さんが挨拶を交わしお喋りを始める。
知り合いだったらしい。
この大家さん、町中の人が知り合いなんじゃないか?というくらい顔が広い!
ここにも知り合いがいたのか?と感心していた。
看護婦さん達が出て行ったので
「知り合いなの?知り合いの人、たくさんいるね!」
って言ったら
「そうだ。私はこの病院にも知り合いがたくさんいる。」
と教えてくれた。
何とこの大家さん。
「この病棟を新設する際、多額の寄付をしたのだ」と言う。
「だから病院の人は皆自分に感謝している」と言うのだ。
そして大家さんが病気のときは、手術も入院も全てタダ!なのだそうだ。
私が
「大家さん、素晴らしいね?!」
と言うと
「タンブン、タンブン(お布施)」
と笑いながら言っていた。
病院への献金者の名前が飾ってあり、「大家さんの名前も載っている」というので
見せてもらいに行ってきた。
病院3
「この大家さん、只者ではない」
と思いながら、この大家さんと出会えて良かったと思った。
病室へ戻り、しばらくするとお医者さんがやってきた。
長女の病名は「腸炎」だとわかった。
娘の診察が終わり、なんと退院の許可が出た!
やった?!家に帰れる!
大家さんも一緒になって喜んでくれた。
「先に帰ってる」
と大家さんは病室を出て行った。
「後から帰るね」
と私は見送った。
退院の準備をしていたら、ジアップがやって来た。
退院の許可が下りたことを話すと車で送ってくれると言う。
9歳長女の身体を考えると、ガタガタ揺れるサムローではしんどいだろうと思い
ジアップにお願いした。
そして昼過ぎ、ジアップに家まで送ってもらいようやく家族全員で帰宅することが出来た。
大家さんはもちろんすぐやって来て、喜んでくれた。
ジアップは仕事のため、すぐ病院に戻らなければならない。
私も子供達もみんなでお礼を言った。
たった2泊だったけど、久しぶりの我が家な気がした。
「やっぱりお家が1番いいね!」
と9歳長女。
本当にそうだ。
私は山盛りの洗濯物を片付けるべく、帰宅後は家事で忙しかった。
夕方になり簡単に夕飯を作る。
そう言えば、今日も朝からコーヒー一杯しか口にしてなかったことに気付く。
しっかり食べて、しっかり寝よう!
こうして長い長い長い「留学ビザを取得する旅」は終わったのだった。
ハア?。。。疲れた。。。
そして翌日。
「1日だけ」という約束でバス停に置かせてもらってた私の自転車。
もう3日目に突入。。。
「2日くらい伸びたって大したことないだろう。そこがタイのいいところ?♪」
なんて思いながら自転車を取りにバス停へ行った。
ところが。
ナイ!ナイ!ナイ!
私の自転車がナ?イ!
青ざめてチケット売りのオバちゃんに聞いた。
「取りに来ないから預けたよ?」
としか、聞き取れなかったワタシ。
「え?どこに?もしや警察?自転車、撤去されちゃったの????」
と焦りまくるワタシ。
よく理解していない私にバス停にいるいろんな人があーだこーだ説明してくれた。
そして。
「自転車が盗まれないようにバス停の隣の自転車屋さんに預けた」
ことがやっと理解できた。
しかし、その自転車屋さんが開くにはまだ1時間も待たねばならない。。。
1歳三女をおんぶして歩いてきた私は、また帰ってまた来るのは嫌だったので、
時間つぶしに市場に買い物に行った。
3日ぶりの買い物に、顔なじみのおばちゃんは
「何でしばらく来なかったんだ?」
と聞いてきた。
ほぼ毎日買いに来る私が来ないのを気に掛けてくれてたのだと思い
嬉しくてたくさん買ってしまった。
予想外の買い物で両手いっぱいにビニール袋を抱えながらバス停の隣の自転車屋さんに行く。
ちょうど、おじさんが店を開けていた。
おじさんは私の顔を見るとすぐ自転車を出してくれた。
「ああ?良かった!」
コレが無いとかな?り不便なのよね。。。
私はおじさんにお礼を言って、9歳長女が寝てる我が家へ帰った。
こうして。
本当に本当に。
「我が家の旅」は終わり、元の生活に戻れたのだった。
タイの生活、波乱万丈である。。。
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コメント

  1. YUKI より:

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    ビザとれて本当に良かったね。
    AKも直ぐに退院出来て良かった、良かった。
    爺さんたちも心配してたから、今日のブログ見たら一安心だね。
    しばらくゆっくり休んで下さいな。[絵文字:e-68]

  2. ぱこ より:

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    今日は学校にお礼に行ってきました。
    「おめでとう!」と先生方も喜んでくれました。
    「娘さんにとっても留学ビザがあったほうがいいでしょう」って。
    AKはまだ食欲ないので学食ではなく私のオニギリを持って行ってます。
    学校ではオニギリが珍しくて「明日も持ってきて」と人気者のAKです。

  3. まみ より:

    SECRET: 0
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    本当にお疲れ様!!!!
    なんかさー、読んでて涙出たよう?。
    子供三人連れて、異国で、大変だっただろうよ。
    ビザの件も退院もおめでとう!
    病気も大事に至らなくてよかったよー。
    頑張るんだよ!
    応援してるからねー

  4. ぱこ より:

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    ブログ読んでくれてありがとう!
    海外生活はホントに大変!
    周りの人の支えがないとやっていけないよー。
    人の親切が身にしみる日々だよ。
    そっちも異国で子育て、大変だろうけど私の方も応援してるから!
    またブログ上で、近況報告続けるね!