トラブル第一号

一ヶ月半の、日本一時帰国を終え、タイに戻ってきた我が家。
バンコクに降り立った途端、ムッとする暑さ。
日本の夏とは違う、この熱気。
「暑い、暑い」と文句を言いながらも、飛行機を乗り継ぎ、大荷物を転がしながら
二日がかりでタイの家に戻って来た。
我が家の門を開けると、一目散に
「ヤーイ ピア?！(ピアおばあちゃん)」
と大家さんの名前を呼びながら大声で走っていく5歳次女。
戻って来たことを早く知らせたいようだ。
しかし、生憎大家さんは留守のようだった。
親戚のおばちゃんが出て来てくれて、大家さんに我が家が戻って来たことを電話で報告してくれた。
大家さんが戻ってくるまで、久々の我が家に入った。
思ったとおり、家の中にまで蟻の巣が出来ており、蟻の大行列。。。
チンチョ(ヤモリ)のフンや蜘蛛の巣もあちこちにある。
一ヶ月半も空き家だったのだから、虫たちに占領されるのは仕方ないだろう。
家じゅうの窓を開けようと、リビングへ足を踏み入れた時。。。
「ん？？？何だか、く、臭い。。。」
異臭がするのだ。
そして何か嫌な気配。。。
10歳長女は
「犬のオシッコじゃない？大家さんちの犬が入ったのかもよ。」
と言うのだが、家には全て鍵がかけてあるし、大家さんが犬を我が家の室内に入れる訳がない。
恐る恐る寝室の方へ行くと、床に大きなシミが出来ている。
確かに動物のオシッコみたい。
私は思わず
「カエルが住み着いてるのか！？それとももっと恐ろしい生き物？？」
と怖くなり、臭さと怖さで、大家さんが来るまで外に出ていることにした。
玄関でチンチョのフンやらアリの巣を掃除していると、大家さんが帰って来た。
私たちの名前を呼びながら
「ディー チャイ ディー チャイ(嬉しい 嬉しい)」
と迎えてくれた。
子供達も
「サワディーカー」
と言いながら、大家さんと抱き合って再会を喜んだ。
もちろん私も。
しかし、そんな嬉しい再会の時間も束の間。
私は、
「チュアイ ドゥアイ(助けて！)」
と大家さんを室内へ案内した。
「帰宅したらこんな状態だった」と説明し、異臭のする寝室へ。。。
異臭とシミが発生している元を探してみると。。。
そこには一つの段ボール箱が置いてあった。
「コレは何だ？」
と大家さん。
私は
「学校から貰った牛乳が入ってる。」
と言った。
「この中の牛乳が腐ってるみたいだ。」
と言う大家さん。
でもこの牛乳は常温で長期保存できるもの。
我が家にはあとニケース、同じものがあって、そちらは問題ナシ。それがコレ↓。


消費期限は来年の日付だし、腐るハズが無いんだけど。。。
私も大家さんも不思議に思いながら、異臭のする段ボールを動かしてみた。
すると！
「おおおおおおお！！！」
と叫ぶ大家さん。
「うわああああああ！！！」
と叫ぶ私。
うじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃ?！
なんと、段ボール箱の裏はウジ虫で真っ黒だったのだ！
段ボールどころか、壁までも虫に食われ、崩れかけていた。
何とも恐ろしい光景！(食事中の方、スミマセン)
大家さんはすぐどこかに電話をし、応援を呼んでくれた。
「今から掃除をしてクスリを捲くから、外にいなさい。」
と言われ、家の中は立ち入り禁止となった。
しばらくすると、大家さんの息子さんがやって来て、処理に取り掛かってくれた。
大家さんも手伝っている。
私が手伝おうとしても
「子供達を見ていなさい。」
と断られてしまった。
私は申し訳ない気持ちと、帰って来て早々のトラブルに疲労困ぱいしてしまった。
とりあえず、玄関や庭の掃除をしつつ、室内に入るのを待っていた。
二時間くらい経過して、ようやくゴミの処理と消毒が済んだようだった。
私は、消毒液くさい部屋に入って、床拭きなど手伝った。
ひと段落して、息子さんと大家さんは帰って行った。
帰り際に、私は大家さんに
「私達がここに住んでから、大家さん、いつも大変だね。ごめんなさい。」
と謝ると
「マイペンライ！」
と大笑いしてくれた。
「今日、昼間のうちにに帰ってきたからよかったけど、もし夜に帰って来てたらどうにもできなかったよ。
今日は運良く、私の息子も仕事が休みだったし。ラッキーラッキー！」
と言ってくれた。
家に入ると、リビングや他の部屋は汚れ放題である。
私は一から、掃き掃除、モップ掛けなど大掃除をしなければならなかった。
そんなことをしていると、もう夕方も遅い時間になってしまった。
冷蔵庫は空っぽのまま。
夕飯は市場でテイクアウトし、まだ片付かない部屋で夕飯を食べた。
「またタイでがんばろー！パーティ」でもしようと思っていたが、それどころではなくなってしまった。
旅の疲れを取るどころか、大掃除と予想外の出来事にくたびれてしまったワタシ。。。
スーツケースを開けることすら出来ず、日本からの荷解きは翌日することにした。
残念なことに、我が家の寝室は牛乳臭くなってしまった。
完全に臭いが無くなるには、まだ数日、いや数週間かかるだろう。
タイの家への到着初日。
早速、トラブル発生。
タイ2年目は、あまり大家さんに迷惑かけずに、平穏に過ごしたいと願うワタシである。。。
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