タイは雨期に入ったようだ。
最近では、毎日のように、夜中や明け方になると、ものすごい大雨が降る。
この家はトタン屋根なので、雨音がとても大きく、
「爆弾が落ちてくるのではないか!?」
と思うほどだ。
そのせいで、私は目が覚めてしまい、熟睡できない日が続いている。
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もうひとつ、私の眠りを妨げるのもがある。
それは「トッケー」である。
「トッケー」とは、タイに生息する、オオトカゲのことだ。
体長は、40~50センチほどだろうか。
「トッケー」、トッケー」と鳴くので、「トッケー」と呼ばれるらしい。
この「トッケー」が夜になると、あちこちで鳴いている。
しかも、オオトカゲだけあって、鳴き声が大きいのだ!
家の中で、テレビや音楽を付けていても聞こえてくる。
トッケー!トッケー!トッケー!トッケェェェェェ!
静まり返った夜中は、この鳴き声が、うるさくて仕方がないワタシ。
この家は、タイによくある家なので、壁も薄ければ、防音効果なんてこれっぽちも施されていない。
寝ていると、頭のすぐそばで「トッケー」の鳴き声がする。
「きっと、うすい壁の向こう側に、たくさんのトッケーがへばり付いているに
違いない。」
と思いながら、私はなるべく想像しないようにしている。
毎日、寝ながらトッケーの鳴き声を聞いているうちに、私は、トッケーによって泣き方や泣き声が違うことがわかってきた。
トッケーが鳴き始める声、、鳴き終わるときの声、だいたいの鳴く回数がわかってきた。
そして、私がそれを子供達に教えてからは
トッケーを、ものすごく怖がっていた長女も
「今のトッケーは、こんな鳴き方だったね!」
とか
「今のトッケーは5回鳴いた!」
などと、
私と長女と次女で、あーだこーだ、論じるようになったほどだ。
雨音とトッケーの鳴き声で、タイの夜は、本当に騒がしい。
この騒がしさを、子供達は知らない。
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